Massage 2 Good-bye
「またね」
手を振り合うふたり。
笑顔なのに
なぜか涙腺がゆるまないようにと、歯を食いしばっていた。
また会えるとわかっていても、約束をしていても、だ。
「私たちは毎瞬毎瞬、違う自分に生まれ変わっています。」
わかっている。
次の瞬間には別の人と会話をしている。
そんなことは魂から知っているはずなのに、地球にはよくよく忘れてやってきたらしい。
多くの車が行き来し騒がしいはずが、静かな瞬間が走りつづけていた。
いつからだろう。
さみしさが悲しいことだと、心に植え付けていた。
でも本当は違うのだと、思うのだ。
この地球という星の中で生きる、この瞬間に、この同じ場所で
あなたと生きていることを互いに認識できたこと。
そして次の瞬間の私ともよろしくね、と。
瞬時性の中にこそ、あたたかい光を感じることができるのだ。
車の音が騒がしい。
涙は自然と、流れていた。
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